【高速化】固定回線の速度を改善する方法!

記事内に広告が含まれています。

インターネットの高速化において大切なことは、通信速度が自分の使用目的に対して十分な速度であるか、ストレスを感じない速度であるかという点です。

インターネットに接続するためのネット回線には、固定回線(光回線やADSL、CATVなど)や無線回線(WiMAXや3G/LTE回線など)など様々な種類があります。

この記事では、固定回線のアクセススピードに不満を持っている人のために、高速通信可能なネット回線を紹介する中で段階的なスピード改善の方法を説明ていきます。

  1. インターネットアクセスの高速化のポイントとは?
    1. 高速化の決め手はボトルネックを見つけること!
      1. 通信回線自体の通信方式や規格の違い
      2. インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)
      3. 通信経路上における端末や利用環境の違い
    2. インターネットアクセスの通信方式と通信速度
  2. 光回線各社の特徴とメリット/デメリット
    1. フレッツ系/光コラボの特徴(メリット・デメリット)
    2. auひかりの特徴(メリット・デメリット)
    3. NURO光の特徴(メリット・デメリット)
    4. 電力系回線の特徴(メリット・デメリット)
  3. 光回線が遅いと感じた際の高速化への対応方法・手順
  4. IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)への対応
    1. インターネットの接続方式の違いや特徴
      1. IPv4 PPPoE接続 従来型
      2. IPv4 IPoE接続(IPv4 over IPv6)過渡的形態
      3. IPv6 PPPoE接続(トンネル方式)過渡的形態
      4. IPv6 IPoE接続(ネイティブ方式)次世代型
    2. IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)対応は高速化に必要な理由
      1. 理由その1:IPv4アドレス枯渇への対策
      2. 理由その2:通信速度の高速化
    3. IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)への対応状況
      1. 光コラボのプロバイダ各社
      2. auひかり(KDDI)
      3. NURO光(ソニーネットワークコミュニケーションズ)
  5. NURO光の標準プランへの乗り換え(下り2Gbps)
    1. 光コラボからNURO光に乗り換えて高速化できる理由
  6. auひかり(またはNURO光)の高速プランを契約
    1. auひかり(KDDI)とNURO光の高速化への取り組み状況

インターネットアクセスの高速化のポイントとは?

速度に関する説明に、”ベストエフォート”とか、”ベストエフォート型サービス”という表現が使われているのをご存じでしょうか?

”ベストエフォート”とは、回線の理想的な状態での最大速度であるという意味です。理想的とは、回線をあなた一人が占有している状況で、かつ、使用環境の全ての伝送経路が回線の最高速以上の速度性能を持っているときに達成できる速度ということです。

このような前提での速度表示は、はっきり言って、実用上非現実的な値です。

ですから、現実のあなた自身の使用環境において、実際の速度を評価する必要があります。

高速化の決め手はボトルネックを見つけること!

通信速度は通信経路にある全ての通過点の速度影響を受けますが、最終的に一番遅い部分の速度で決まります。この制約部分をボトルネックといいます。

従って、高速化は、このボトルネックを見つけて、改善することを意味しています。

インターネットアクセスの通信速度を決めている主な要素は次の3つです。

通信回線自体の通信方式や規格の違い

回線の物理的な速度限界と用いられる通信方式(変調方法やプロトコル)によって、通信速度が決まります。

固定回線

光回線:通信経路として光ファイバーを用いている。
フレッツ系、auひかり、NURO光、地方系回線(コミュファ光、メガエッグ)などその他の回線:通信経路として金属導体を用いている。(俗にメタル回線とも呼ばれている。)ADSL、CATVなど

無線回線

WiMAXや3G/LTE回線など

インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)

通信速度はプロバイダ側の設備の処理速度に依存します。

正確には、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)と言います。自社の独自回線や他の通信事業者から借り受けた回線を相互に接続することで、インターネットへ接続します。ユーザーは、プロバイダと契約することでインターネットへ接続することができます。プロバイダの提供する主なサービスは、インターネットの接続、電子メール、Webページ、IP電話などです。

プロバイダは契約ユーザーからの信号をインターネットに接続しているだけなので、一見、速度には影響していないように見えますが、IPアドレスを照合する役割の認証サーバなどの設備により信号を読み取って処理をしているため、通信速度はプロバイダ側の設備の処理速度に依存することになります。

また、接続者数が増加して、サーバーに対する負荷が大きくなると(一人のユーザー当たりの)速度は遅くなります。

同一地域の契約者数の増減(速度の地域変動)

同一地域とは一本の光ファイバーを共有している地域という意味です。その地域内の契約者数が増えると、契約者全員でデータ容量を分け合うため、一人当たりの容量(短時間当たりデーター量=速度)は小さくなります。

回線負荷の時間的変動(速度の時間変動)

細かく見ていくと、同一地域であっても、時間帯によって実際にインターネットに接続しているユーザー数が変動するため、それに伴い速度も変動します。上記同様、接続しているユーザー数が増えると一人当たりの容量(短時間当たりデーター量=速度)は小さくなります。

通信経路上における端末や利用環境の違い

具体例を挙げると、例えば、auひかりホームX10ギガ/ホームV5ギガには次のような注釈が付いています。

★1:ベストエフォート型サービスです。記載速度は技術規格上の概ねの最大値となり、実使用速度を示すものではありません。
お客さまのご利用環境、回線の状況などにより大幅に低下する場合があります。
ホームゲートウェイ内蔵の無線LANご利用(有料)時の通信最大速度は、最大2.4Gbps(Draft IEEE802.11ax)/1.7Gbps(IEEE802.11ac)となります。
接続先までの通信速度は機器の能力に依存します。
<推奨パソコンスペック>●LANポート10GBASE-T以上 ●LANケーブルカテゴリ6a以上
引用元:auひかり

つまり、実質的な速度は、ルーター(ゲートウェイ)、パソコン、LANケーブルの影響を受けるということです。以下、それぞれについて説明します。

ルーター(ゲートウェイ)

ルーター(ゲートウェイ)には様々な仕様のものがあります。後述する、接続方式によってもルーターに必要とされる機能も違ってきます。契約している回線のサービス(通信速度)にマッチしたルーターを使用する必要があります。以下に主要なチェックポイントを挙げます。

    1. 通信規格は高速通信に対応しているか?
    2. ルーターのアンテナ性能(電波強度)は十分か?
    3. 接続方式はIPv6/IPoEに対応しているか?※IPv6/IPoEの詳細は後述

パソコン

CPUの処理速度、LANボードの処理速度、OSバージョンなどが速度を決める主要な要素ですが、メモリー容量、セキュリティーソフトの負荷、その他システムの設定状態などはパソコンの処理速度に影響し、最終的に通信速度を左右することになります。

接続ケーブル(LANケーブル)

普段は、あまり気にすることはないLANケーブルですが、意外に速度に関係しています。LANケーブルは、カテゴリーにより対応している規格(通信速度/伝送帯域/対ノイズ性)が分かれています。

LANケーブルの規格にはカテゴリー(CAT5~CAT8など)があり、例えば、CAT7は10Gbps/600MHz/対ノイズ性○、CAT5は100Mbps/100MHz/対ノイズ×のように記されています。

インターネットアクセスの通信方式と通信速度

下の関係は右に行くほど、高速であることを示しています。

ADSL<CATV<無線回線(モバイル)<固定回線(光回線、その他回線)

以下、各通信回線について概要を説明します。

ADSL

  • 電話回線を用いた、ダイアルアップ接続による通信
  • 原理的に高速化は限界 ~50.5Mbps

CATV

  • 有線テレビ回線を用いた通信
  • 原理的に高速化は限界 ~320Mbps

無線回線

  • 無線回線はルーターさえあれば、屋外でも使用可能※今後の高速化に期待あり
  • 参考値 ドコモ(N-01J)~788Mbps、UQ WiMax(L01)~708Mbps

光回線

  • 光ファイバー回線を用いた、現在、最も普及していて回線
  • 高速化において将来性がある(現在、10Gbpsの高速化が実用化)
    1. 従来の接続方式(IPv4/PPPoE接続)~200Mbps
    2. 新しい接続方式(IPv6/IPoE接続)~10Gbps超
    3. 将来的には波長多重などにより、更なる高速化(~100Gbps)が可能

高速化の観点から、光回線(IPv6/IPoE接続)を用いたインターネット接続が最も有利であると言えます。※無線回線については『WiMAXの特徴や高速化の取り組み』をご参考ください

光回線各社の特徴とメリット/デメリット

光回線を用いてインターネット接続サービスを提供している各社の特徴とメリット/デメリットを解説していきます。

フレッツ系/光コラボの特徴(メリット・デメリット)

ドコモ光ソフトバンク光BIGLOBE光などNTTフレッツ網を使ってサービスを提供しています。全国対応した光回線で、サービスも充実しているので、ユーザー数も多く、プロバイダがセットになったプランがあります。

  1. 速度:1Gbpsの標準プランがある
  2. 提供地域:日本全国広域に対応
  3. 将来性:更に高速化の可能性がある
  1. 安定性:接続ユーザー数が多く、時間帯により速度が不安定になる場合がある

auひかりの特徴(メリット・デメリット)

auひかりはKDDI独自の光回線と一部地域はNTTの光回線を借り受け、自社の設備と通信機能により、高速通信を実現しています。

  1. 速度:5Gbps/10Gbpsの高速プランがある
    (標準プランは光コラボと同じ~1Gbps)
  2. 将来性:更に高速化の可能性がある
  1. 提供地域:限定
  2. 高速プランはプロバイダ限定

<auひかり 10ギガ・5ギガの速度変更受付中のau one net以外のプロバイダ(2018年4月2日時点)>
・@nifty
・BIGLOBE
・So-net
※その他プロバイダをご利用中のお客さまは、各プロバイダに直接お問い合わせください。

引用元:auひかり

NURO光の特徴(メリット・デメリット)

NURO光はNTTがもつ光回線の余剰部分(ダークファイーバー)を借り受け、自社の設備と通信機能により、高速通信を売りにしています。

  1. 速度:6Gbps/10Gbpsの高速プランがある
    (標準プランは下りのみ光コラボの2倍の~2Gbps)
  2. 将来性:更に高速化の可能性がある
  1. 提供地域:限定
  2. プロバイダはSo-netのみ

NURO光の対応地域

関東エリア:東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬
東海エリア:愛知・静岡・岐阜・三重
関西エリア:大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良
九州エリア:福岡・佐賀

電力系回線の特徴(メリット・デメリット)

各地の電力会社が所有する独自回線を使って、電力提供エリア限定のサービスを行っています。

日本全国各地、電力会社ごとにインターネットサービスがありますが、ここでは、コミュファ光とメガエッグを例にとり説明します。

  1. 安定性:利用者数が少ないため、混雑による速度低下が少なく、安定している
  2. 速度:一部の電力会社では、高速プランも提供している
  3. 提携プロバイダは10社(コミュファ光)
  1. 提供地域:地方限定であるため、サービスを受けられる地域に住んでいることが条件

コミュファ光

  • 中部電力系グループ(中部テレコミュニケーション)
  • 提供エリア:愛知県、静岡県、岐阜県、三重県
  • 10ギガ・5ギガメニュー提供エリア:〈愛知県、静岡県、岐阜県〉の一部エリア

メガエッグ

  • 中国電力系グループ(エネルギアコミュニケーションズ)
  • 提供エリア:広島県、岡山県、山口県、島根県、鳥取県
  • 最大1Gbpsの高速インターネット通信

光回線が遅いと感じた際の高速化への対応方法・手順

光回線の高速化への対応は、段階を踏んで高速化対応を行い、実際に使用して速度を体感した上で、不満なら次の高速化対応に進むという方法をおすすめします。

稀に大元のネット回線でトラブル(通信障害)が発生している場合があるので注意が必要です。

上記の考えに基づいて、高速化への対応を以下の①から③の3つのステップに分けて解説します。

現在のご自分の状況に合わせて、途中から読んでいただいても結構です。

Step1. 高速化の第一歩は、IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)に対応する(下り・上り最大1Gbps)
Step2. 現在、光コラボなら、NURO光に乗り換える※まずは標準プランで試してみる(下り最大2Gbps/上り最大1Gbps)
Step3. auひかり、又はNURO光の標準プランから、有料の高速プランに変更する(下り・上り10Gbps)

それでは、それぞれのステップについて、詳しく説明していきます。

IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)への対応

高速化の第一歩は、IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)に対応することです。※最大通信速度:~1Gbps

まだ、IPv4/PPPoEを使用してていたり、ルーターがIPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)に対応していない場合は速度が~200Mbpsに制限されてしまいます。

IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)に対応すること、これは必須条件です。

それは、ある問題の解決策として、IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)への移行が既に進んでいるからです。

インターネットの接続方式の違いや特徴

現在、使用されているインターネットの接続方式を整理すると下表のような組み合わせになります。

縦軸IPv4/IPv6はアドレスを含めたプロトコルの違い、横軸のPPPoE/IPoEは通信方式の違いを表しています。それぞれの組み合わせにより、4つのパターンが存在しています。

従来型(現行型)は左上の接続パターン、右下が次世代型パターンですが、これは既に現在も使われ始めていて、今後、全てがこの接続パターン(IPv6 IPoE接続)に置き換わるものと思われます。

従って、左下と右上の接続パターンは次世代型に置き換わる過程での過渡的な接続パターンと考えて良いでしょう。

TypePPPoE
(Point to Point Protocol over Ethernet)
IPoE
(Internet Protocol over Ethernet)
IPv4
(Internet
Protocol
version4)
IPv4 PPPoE接続
従来型
低速 最大200Mbps
※電話回線によるPPPのイーサネットへの応用
IPv4 IPoE接続(IPv4 over IPv6)
過渡的
高速 最大100Gbps
※IPv6 IPoE接続によるIPv4サイトへのアクセス方法
IPv6
(Internet
Protocol
version6)
IPv6 PPPoE接続(トンネル方式)
過渡的
低速 最大200Mbps
IPv6 IPoE接続(ネイティブ方式)
次世代型
高速 最大100Gbps
※Ethernet本来の接続方式

※PPP:Point-to-Point Protocol

IPv6 PPPoE接続(トンネル方式)を使用する場合は、『マルチプリフィックス問題』回避のため、『IPv6アダプタ』が別途必要になります。

マルチプリフィックス問題とは?

IPv6ネットワークであるNTT東西のNGNを経由して、IPv6インターネットに繋ぐと、NGN(次世代の情報通信ネットワーク)とIPv6インターネットから合計2つのIPv6プレフィックスがユーザーのパソコンに配られてしまうという不具合

それぞれの接続パターンについて特徴を解説します。

IPv4 PPPoE接続 従来型

PPPoE接続は「PPP over Ethernet」の略で、電話回線を前提とした技術をイーサネットに応用したものです。

  • アドレス枯渇問題
  • 網終端装置による速度制限(根本的なボトルネック)
  • IDとパスワードによるユーザー認証が必要
  • ユーザー⇔プロバイダ(ISP)⇔インターネット

IPv4 IPoE接続(IPv4 over IPv6)過渡的形態

IPv6 IPoE接続を使って、IPv4サイトへ接続する方法で、IPv4 over IPv6とも呼ばれています。

  • 接続方式自体はIPv6 IPoE接続なので、速度が速くなる
  • IPv4 over IPv6に対応したルーターが必要

IPv6 PPPoE接続(トンネル方式)過渡的形態

PPPoE接続を使って、IPv6サイトへのアクセスが可能になる方法で、トンネル方式とも呼ばれています。

  • 接続方式は従来のPPPoE接続なので、速度は改善されない
  • トンネル方式に対応したルーターが必要

IPv6 IPoE接続(ネイティブ方式)次世代型

IPoEは「IP over Ethernet」の略で、直接インターネットに接続する方式であり、最終的なアドレス枯渇問題の解決策となっています。

  • アドレスの拡張
  • 網終端装置不要(網終端装置による速度制限がない)
  • 回線認証のみでIDとパスワードによるユーザー認証は不要
  • セキュリティーが強化される
  • ユーザー⇔プロバイダ+接続事業者(VNE)⇔インターネット

接続事業者(VNE)とは?

VNE(Virtual Network Enabler)とは、ISP事業者(プロバイダ)に対して、IPoE接続サービスを行うために必要となるネットワーク設備や運用機能等を提供する事業者のことです。

IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)対応は高速化に必要な理由

理由その1:IPv4アドレス枯渇への対策

ユーザーがプロバイダ経由で、インターネットと接続する場合、今まで使われてきた方式をIPv4/IPPPoEと言います。IPv4とはアドレスのバージョンを示し、IPPPoEは接続方式を表しています。

速度もIPPPoE接続方式の最高速は200Mbpsと速くはありません。

しかし、根本的な問題は速度ではありません。IPv4のアドレスのバージョンでは、アドレス数が近い将来、枯渇してしまうというのが根本的な問題です。

このアドレスの枯渇の解決策として導入されたのが、新しいアドレスバージョンであるIPv6です。

IPv6の使用により、今後どれだけインターネットのユーザーが増えても 、枯渇が考えられないほど、多くのアド レスを利用できるようになります。

  • IPv4のアドレ ス表記は32ビット (2の32乗)で、表現できるアドレ ス数は43億個
  • IPv6のアドレス表記は128ビット(2の128乗)で、表現できるアドレス数は約340澗(かん)=340兆×1兆×1兆

ただし、注意点としてIPv6のアドレスバージンを用いるには、接続方式もIPoEという新たな接続方式を用いる必要があることです。

つまり、これまでのIPv4/IPPPoEという、アドレスバージョンと接続方式からIPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)というアドレスバージョンと接続方式へ変更しなくてはならないということです。

IPv6/IPoE接続という方式自体は新しい接続方式ではなく、以前からインターネト接続以外の分野で普通に用いられてきたものです。

理由その2:通信速度の高速化

NTT東西が提供する次世代ネットワーク(NGN)では、PPPoE接続方式の場合は下り最大200Mbpsの帯域制限を掛けている一方で、IPoE接続方式の場合は帯域制限を掛けていません。※NGNのアクセス回線区間のスペック:下り最大1Gbps

つまり、IPv4/PPPoEの通信速度が最大200Mbpsなのに対して、IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)の通信速度は最大1Gbpsとなるのです。※IPv6およびIPv4インターネット接続共に最大1Gbps

IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)という表記をよく目にすると思いますが、(IPv4 over IPv6)はIPoE接続を使いながら、アドレスの旧バージョン(IPv4)に対応することを意味しています。これにより、インターネット上の新旧どちらのアドレスにもアクセスすることができます。
IPv6/IPoEプラスという表現もあります。これは、日本ネットワークイネイブラー株式会社が用いている表記(商標)で、IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)と同じ機能を表しています。

また、光コラボ以外(NTT東西以外の通信設備を利用している)の光回線では最大10Gbpsの有料プランも提供されています。

IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)への対応状況

光コラボのプロバイダ各社

下記のブロバイダなど光コラボ対象プロバイダの多くが、既にIPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)へ対応しています。

ドコモ光対応プロバイダのIPv6対応状況(タイプA/B)

  1. ドコモnet (IPv4 over IPv6機能)
  2. plala (ぷららv6エクスプレス)
  3. GMOとくとくBB (v6プラス)
  4. @nifty (v6プラス)
  5. DTI (IPv6(IPoE)接続サービス)
  6. BIGLOBE (IPv6オプション)

・・・など※カッコ内はサービスの名称

対応済のプロバイダのほとんどは、無料かつ、自動的(申請不要)にIPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)のサービスを提供していますが、中には申請が必要なプロバイダもあるので確認が必要です。

auひかり(KDDI)

  • auひかりのプロバイダは次の7社
    1. So-net
    2. @BIGLOBE
    3. @nifty
    4. @Tcom
    5. Asahi Net
    6. au one net
    7. DTI
  • 全てのプロバイダが、IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)に対応済
  • 無料提供、自動適用(申請不要)

IPv6対応のauひかり接続サービス
現在、auひかりでは、IPv6への対応を進めております。
IPv4とIPv6の通信がそれぞれ可能なIPv4/IPv6デュアルスタックでの提供となります。
※IPv6のご利用に際しては、サービス料金以外に追加となる料金はありません。

auひかり
対象コース:auひかり ホーム/auひかり マンション

月額利用料お申し込み機器&設定
無料不要不要

引用元:auひかり

NURO光(ソニーネットワークコミュニケーションズ)

  • プロバイダはSo-netのみ
  • IPv6/IPoE(IPv4 over IPv6)対応済
  • 無料提供、自動適用(申請不要)

IPv6対応
ご提供内容
IPv4(動的)に加えてIPv6(動的)でのネットサービス利用が可能となるIPv4/v6デュアル方式※のご提供 となります。IPv4アドレスはもとよりIPv6アドレスに対応したインターネット接続サービスをご利用いただ けるようになります。
通信局のソフトウエアを順次バージョンアップの上、ご提供となります。通信局のバージョンアップ後は、IPv6対応機器をご利用のすべてのNURO 光のお客さまがご利用いただけます。

対応時期
2013年10月31日 対応完了
お申し込み方法
お申し込みの必要はございません。
ご利用料金
無料でご利用いただけます。
また、NURO光のご利用料金に変更はございません。

引用元:NURO光(抜粋)

NURO光の標準プランへの乗り換え(下り2Gbps)

現在、光コラボを使用なら、NURO光に乗り換える方法があります。まず、標準プランを試してみるのが良いでしょう。上りの最高速は光コラボと同じ~1Gbpsですが、下りの最高速度は2倍の~2Gbpsです。

インターネットの閲覧や動画のストリーミング、大容量のファイルをダウンロードする場合には、下りの通信速度が重要となります。※動画配信などアップロードする機会が多い場合には上りの通信速度が重要

光コラボからNURO光に乗り換えて高速化できる理由

NURO光は独自回線はないものの、NTTの余剰回線(ダークバイバー)を使ってサービスを提供しており、国際標準規格の通信規格とNURO光用に開発されたホームゲートウェイ(ONU)によって、標準プランで下り2Gbpsを実現しています。

公式NURO光

auひかり(またはNURO光)の高速プランを契約

NURO光の標準プランでも、やっぱり不満が残る人は、有料の高速プランを契約する方法が残されています。どちらも、地域限定ですので、サービスの提供地域の確認が必要です。

auひかり、NURO光の独自回線や、ダークファイバーは、光コラボのような速度的な制約(限界速度1Gbps)を受けないため、高速化の自由度をもっていて、1Gbpsを超える高速化プラン(~10Gbps)も有料で提供されています。

これが、現在、光回線で提供されている最速のプランとなっています。

現在提供されている高速サービスの例

  • auひかりの高速サービス:5Gbps/10Gbpsの2つのプラン
    「auひかり ホーム10ギガ」「auひかり ホーム5ギガ」
  • NURO光の高速サービス:6Gbps/10Gbpsの2つのプラン
    「NURO光 10Gs」「NURO光 6Gs」

※2019/7/26現在

つまり、auひかり、NURO光の標準プランから高速プランに変更することにより、現時点での最高速を手に入れることができます。

ただし、両者ともに地域限定のサービスになっていますので、お住いの地域が対象になっているかを確認する必要があります。

auひかり(ホームX10ギガ/ホームV5ギガ)提供地域

東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の一部エリア

NURO光(10Gs/6Gs)の提供地域

東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、静岡県、大阪府、兵庫県、奈良県、福岡県の一部エリア

auひかり(KDDI)とNURO光の高速化への取り組み状況

光回線の高速化のカギを握るのが、PON(Passive Optical Network )です。PONは受動素子により光信号を分岐させ、一本の光ファイバー回線を複数のユーザーで分け合う技術です。

NURO光とauひかり(KDDI)が採用しているPONの変遷を表にしました。表の上から下へとPONの進化と共に最大速度が向上していることが分かります。

また、NURO光はITU規格に、auひかり(KDDI)はIEEE規格に(これまでのところ)準拠しているようです。

回線事業者採用しているPONの名称伝送速度
(最大値)
規格
NTT/auひかり(KDDI)/その他GE-PON (Gigabit Ethernet PON)下り・上り1.25GbpsIEEE802.3ah
NURO光G-PON (Gigabit capable PON)下り2.5Gbps
上り1.25Gbps
ITU G.984シリーズ
NURO光XG-PON (10Gigabit PON)下り10Gbps
上り2.5Gbps
ITU G.987シリーズ
auひかり(KDDI)10G-EPON (10Gigabit Ethernet PON)下り・上り10GbpsIEEE802.3av
NURO光XGS-PON (10Gigabit capable symmetric PON)下り・上り10GbpsITU G.9807.1
最後に…
冒頭でもお話ししたように、インターネットの高速化において大切なことは、通信速度が自分の使用目的に対して十分な速度であるか、ストレスを感じない速度であるかという点です。
速度の最大数値は参考にはなりますが、ユーザー数や使用環境によって、表示数値が示すほどの速度が出ていないことがほとんどですが、それでもストレスを感じないこともあります。ですから、速度の最大数値だけにこだわり、必要以上に有料プランにお金を払うのは得策ではありません。
ここで強調したいのは、今回説明したように、段階を踏んで高速化対応を実施し、その都度、実際に使用して速度を体感した上で、不満なら次の高速化対応に進むという方法が理に適っているという点です。更に、この方法の利点は対応の結果、不満が残っても後戻りせず、次の段階へ進めることです。
どうか、これらの情報を参考にしてストレスのないインターネットライフを楽しんでいただくことを願っております。

ご自分の使用環境での、現在の速度を測定することもできます。次に挙げるのは、通信速度測定サイトの一例です。参考にしてみてください。

タイトルとURLをコピーしました